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第6章 リスクのとり方と考え方

自分を知る

「リスクは取りたくない、でもリターンは欲しい」という発想では何もできません。リスクがあるからこそリターンもあり、そこで得ることができるものは、リスクに見合った大きいものとなるのです。また大きくリターンを取るのは、たまたまラッキーはあってもそれを継続するのは簡単なことではありません。努力や精神力も必要になります。この本では100万円の軍資金で話を進めてきましたが、1億円の投資が出来る人が100倍のことをやればリスクの絶対額が100倍になる代わりに、リターンも100倍になるのです。そこで、自分はどの程度のリスクまでなら許容できるのかを見極めるのが重要な作業となり、知恵を蓄えるための努力も必要になります。これはあなた自身にしかわかりません。

マーケットに触れることで世の中のさまざまなことが見えてきますし、マーケットに関わってそこからお金を生み出していくのはたいへん楽しいことです。また経済が成熟し低成長で、しかもたくさんの借金を抱える国に住む人間としては、自分で自分のお金を増やして守っていく方法をきちんと身につけていくことも必要です。しかし有益で楽しいことばかりでもない苦しい局面にも遭遇します。もしも最初の取引がマイナスであったとしたら、落ち込むでしょうし、パッシブスタイルで相場にはいったために結果大きく損をすることだってあるかもしれません。

しかしそこで萎えていけません。

日々動くものを相手に、またその参加者が世界中に存在する巨大な場所に参加するのですから、ここに飛び込むには勇気もいります。損失が出た後にさらに向かって行くのは、なおさら勇気が要ることです。

しかし、必ずマーケットは知恵と勇気を持った参加者に報いてくれる度量を持っています。また、理不尽に動く時ばかりではないのがマーケットです。マーケットの深さ面白さ得られるリターンの大きさなど魅力は計り知れません。

とにかくマーケットで生き抜き少しでも長くお金を作ってゆく秘訣は、自分のスタイルを早く確立させることです。この本に書いたことはあくまでもひとつの参考にすぎません。 基本的動作のほんの一例なのです。

またもうひとつの重要なアドバイスは、頭で理解していることを、自分は実際に行動として取れているかを冷静に見直すことです。そうすることで自分のフォームは必然的に変わってきますし、より継続的にパフォーマンスを上げていく形が整ってくることでしょう。自分を見失いそうになったら、この本に書いてある基本に立ち返って、自分を見つめ直してみてください。

孫子の兵法にもあるように、自分自身を理解することがいちばん難しいことかもしれあません。なぜなら、いくら本を読んで勉強したところで、実際に目に見ることの出来ないリスクというものを管理していくのは、あなた自身なのですから。

近い将来、証拠金取引はもっと日本で一般化する可能性がありますし、為替だけでなく株価指数先物など、その範囲は拡がっていくでしょう。しかしマーケットに取り組む基本はなんら変わりません。この本を通して基本のフォームを身につければ、何にでも応用できるはずです。あなたが身につける知恵と勇気で、どんどんチャンスも広がっていくのです。商品性を理解したうえで、基本に忠実に、そして自分なりのフォームを作るように日々励みましょう。

きっと新たな世界がはじまり、新たな未来が開けていきます。