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第10章 ミニ日経

ミニ日経の注意点

ここで注意しなくてはいけないのは、必要証拠金がおよそ10分の1になったとはいえ、取引手数料は10の1にはなっていないということである。機械がさばくのだからレギュラーもミニも1枚は1枚なのだから、考えれば当たり前のことだ。今までレギュラーサイズに取り組んできたひとが、同じ感覚でミニ日経に手を出すのは今のところ    早計のようである。アメリカのS&P先物のように流動性という点で立場が逆転してしまえば、ミニサイズをメインに取引することには問題はないのだが、現状の日本の市場では依然としてレギュラーものが主導権を握っており、ミニサイズは補助的な役割しか与えられていないのである。

今後の課題として注目すべきなのは、ミニ日経の24時間取引への対応であろう。これが日経先物および日本株に関するすべてのインタレストを日本市場に戻ってこさせる起爆剤になるかもしれない。ただ現状においては、大証のレギュラーものの日経先物と同様に、ミニ日経も同じ昼間の時間帯での取引だけとなるので、ポジションを翌日まで持ち越すには大きなリスクが存在することになる。

これまでにも述べてきたが、日本時間だけで一日に200円の幅を端っこから端っこまで取れるというのは、なかなか難しいのが現実だ。ミニ日経は小額の資金で行えるという魅力は大きいし、取引の感覚をつかみ、先物取引に慣れるためにおこなってみるには、よい練習台になる。しかし資金が少ないということで、その分小まめさに欠けてしまうと、小額とはいえリスクも高くなり、すぐに追加マージンなどが発生してしまう可能性もある。

もちろんそれを逆手にとって、多めに証拠金を入れて毎回200円狙いで動くという戦略もあるが、資金効率がよいとはいえないことだけは覚えておこう。

小額であっても、取引に対する姿勢は常に同じにしておかないと、結局は資金効率も悪く、費用も高いものになってしまう可能性がある。ミニ日経であっても、この本に書いてあるとおりの基本姿勢を貫いて相場に臨んで欲しい。