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第1章 日経とは

身近な株価指数

株価指数を見ることで、簡単に株式市場全体の動きがつかめる。たとえば朝のニュースで「米国のダウ平均が100ドルの急落・・・」などといっているとしよう。このニュース自体は、アメリカの株式市場でのある1日のすべての取引が終了した結果、その株価指数が前日の終値と比べてどうなったかを語っているものである。実際にアメリカにどんな会社があって、どんなことをナリワイとしているのか知らなくても、相場の流れや株式市場のムードがどんなものであったか、説明はつくのである。要するに株価指数の動きを追っていくだけでも、株式相場全体がどうなっているのか、大体のところは様子がつかめるのである。株価指数というものは決して実体のないものではなく、たいへん便利で合理的なものである。

しかしこの指数自体を取引の対象にすることは、何か実態のないものを操っているような気分になるかもしれない。たしかに個別の株価がそれぞれ動き、それにともなって平均値としての株価指数もそれらを反映するようにともに動き、市場全体を表わしているとしても、単なる寄せ集めの数字を売買するなど、架空の取引を行なっているように思う人も中にはいるであろう。

しかしよく考えてみれば、XXX自動車の株式とはいっても、実際にその株券を手に取って売買するわけではない。XXX自動車というと実態のある株券を売買しているように思えるが、実際には手に取れるわけでもない数字上の売買にしか過ぎない。銀行預金の数字の増減と同じで、バーチャルな数字が動くことでお金が移動しているだけだ。確かに株式の券面を手に取ることはできるが、いちいち券面でやりとりする人など皆無であろう。

さらにお金という存在は必ずしも株式市場だけにあるわけではなく、金融マーケットという狭いなかでは、債券市場、為替市場との密接なかかわりを保ちながら、株式市場はその一部に過ぎない。そして株式市場全体を表わす株価指数の数字で、景気の状態を語ってしまえるほど、すぐ身近にある数字でなのだ。