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第1章 日経とは
先物価格とは
株価指数は理解したとしても、「先物取引」というとある将来の値段を売買しているように思うかもしれないが、「先物」(Futures)という名前とはイメージが違って、まさにいま現在のマーケットをそのまま反映して動いていく。
そもそも個別株式の値段は、どうやって決まり、いくらが妥当なのかを考えてみよう。個別の株式に投資する判断基準として、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)やROE(株主資本利益率)がよく使われる。たとえばPER20倍という場合には、今の株式についている値段は1株あたりの税引き後利益の何倍かを表している。しかし日本のこの業種での平均の倍率は30倍なので、割安であるというような言い方はできても、20倍という値段が適切であるかどうかの説明を正確におこなうことはできない。割安なままであるのは、他に何か理由があるかもしれないと考えるのが自然だ。
では「先物」の値段というのは、何で成り立っているのだろうか。
予測不可能な将来の値段を予想するのではなく、あくまでも指数の元になっている資産の現在の価格に基づいている。日経先物の場合の元の資産(=原資産)は、東京証券取引所に上場している225社の株価である。
先物の理論価格はおおざっぱに言うと、
先物の理論価格 = 原資産の価格 + 金利相当分 − 配当
となる。
したがって、日経先物の場合は、
日経先物の理論価格 = 日経平均株価 + 円金利 − 平均の配当
となる。
配当や金利の分だけ現物の株式指数とは値段が異なってくるという仕組みだ。「先物」と現物の値段の差に表われてくるものは、基本的にはこの部分だけである。
現在の日本のように円金利がほとんどゼロになっている場合であれば、ほとんど金利分のプラスはない。また決算期で配当を出す日が集中する場合には、その月のものは、配当日をまたいだ前後に配当落ちの分だけ数十円違ってくることもある。
いずれにしても「先物取引」は現在のマーケットをダイレクトに反映して、同じように動いていく、つまりあくまでも「今」を取引をしているものに他ならない。