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第7章 実戦編

ポジションを作る

 ロスカットのレベルを決めておくというと、何か後ろ向きにように聞こえるが、これは損失限度額をあらかじめ設定するという重要な意味を持つ。いくらまで損害を被るかわからないものに、果たして誰が喜んで投資をするであろうか。ストップ注文が出来てしまって、そのあと相場が反転しだすということがよくある。自分だけが変なところで損を出す破目になって、他の人が儲けているという図式だ。「ストップ注文なんか置かなければよかった」という思いをしたことのある人もきっと多いことだろう。だからといってストップ注文を出さないで相場に参加するのは良くないように思われる。そもそも自分の当初のアイデアとして、「ストップ注文のレベルまで行くことはありえない」という考えが前提になっていたはずである。もしそうでないならば、反対のポジションを持っていたはずだ。よってストップレベルまで来てしまったということは、そもそもの自分の考えが間違っていたということである。それを素直に認めよう。傷が浅ければもう一度、勝負に打って出ることも出来るのだ。もし本当に相場が上がりそうだと思ったならば、買いなおすという手もないではない。

 とかく気をつけたいのは、相場に合わせて様子を見ながら、自分で損切るつもりで、ストップ注文を置かないことだ。えてして起こりうることだが、相場が反対方向に行きだしても何も出来ないということもよくあるのだ。「ちょっと戻ったところで売ろう」などと思って待っていたら、そのままズルズルと下げ続けてしまったなんてことはザラである。損をすることから免れることは出来ない。損失に関しては最初から計画的に対処したいところだ。