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第7章 実戦編

経済指標、発表の直前

 マーケットでは指標の発表の直前まで、市場の期待を価格に織り込もうとする。 まだ発表もされていないのに、値段が急激に動くのはそのためだ。株価は発表の時間に向かって上昇を続け、債券価格は下がり続けている。これはマーケットの期待がかなり高いことを表われである。ここで考えないといけないことは、もし指標の結果が逆に出た場合である。期待が大きかった分だけ、その反動も大きいはずである。

 フェィバーな度合いが増してきた。よって利食いのポイントも近づいてきており、あとちょっと。しかし指標は発表前であり、依然として結果は未知数のままである。ここでマグレではなく、人為的に出来ることといえば、すでに上昇してきた株式相場という事実に基づいて、自分の出している売り注文のレベルを上げることだ。せっかく利食いまであと一歩というところで、それをさらに遠ざけるのでは儲っているものをみすみす見逃してしまうようなものだと感じるかもしれないが、ここが勝負どころとなる。さらに相場が上伸する可能性だってあるわけで、そうすると享受できる利益の金額も増すことになるのだ。ストップ注文のレベルも同時に引き上げるので、最悪でも起こりうる損失額のほうは減少することになる。実質的には評価益をバッファーにして、もうひと勝負やっているのと同じである。

 より積極的な戦法もある。フェーバーになったのだから、思い切ってさらに買い増してみるのである。損失を抱えている場合に、ナンピンをしてポジションを増やすのは具の骨頂だが、ポジションはこのようにフェーバーなっている時にこそ増やす絶好のチャンスである。余計なことをやらなければよかったのにということにもなりかねないが、大きく儲けるツボであることは確かだ。