HOME > 日経先物について > 第7章 他の市場参加者 > 公的資金

第7章 他の市場参加者

公的資金

とくに株式相場の下落局面では「公的、公的」とよく耳にする。公的資金、なかでも最大のものは国の年金資金であるが、彼らの行動が必要以上に大きく取り沙汰されているのも事実だ。株式相場の下落時における最後の買い手は彼らしかいないとでも思っているのか、年金からの買い支えに期待する。外国人にも「コーテキ」で通じるくらいだ。

午後2時半あたりで出動することが多いというので、その時間の前後をやたらに気にかけるプレーヤーがたくさんいる。その時間を過ぎても株価が上昇に転じなければ、今日はもうダメだということで損切る体制に入るのであろう。

確かに公的機関は政治的な配慮からも買い支えは実行しているようだが、いくら大きな金額で立ち向かってみても相場の流れを変えられるほど、日本の株式市場は薄くないのである。要は、自分の1日のポジションを整理するための、特に含み損を抱えてシコっているときの、逃げ場の言い訳に活用しているだけだというのが大筋だろう。そう見ている連中が多く存在する限り、そのあたりの時間帯の値動きは非常に神経質なものとならざるをえない。

実際に公的資金が買っているのか、買っていないかは、値動きの結果がわかった後講釈でしか判明しない。株価が上がれば「公的が買った」といってもっともらしく翌日の新聞を飾るのだろうが、下がった場合は誰も何も言わない。確率はフィフティ・フィフティなものと見て、日経先物の相場の値段を追い続けるほうが賢明といえるだろう。