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第2章 外国為替取引の種類と値動き

なぜ動くのか C投機資金の性格

投機資金は短期で売買が完結します。売りで入れば買いで終り、買いで入れば売りで終ります。またこの資金は実際の経済取引を伴わないかわりに、将来起りうる経済環境やその変化を予測して動きます。この予測の総和で値段が上がったり、下がったりするわけですが、それがどの程度のレベルまで、いつ頃までという予測によって売りと買いの駆け引きが起こります。この中に実需資金や投資スタンスの全く違う資金などが混ぜこぜになって、日々動いていきます。

しかし基本的には政府や研究機関が発表する経済指標などが一番のよりどころになります。たとえばアメリカの雇用統計のように経済に及ぼす影響が大きい指標で失業者が予想よりも大幅に増えていると発表されたら、ドルは一勢に売られます。しかし市場でもっと悪くなるだろうとの見方が強く、雇用統計の数字を見込んでドルをすでに売っている人が多かった場合は、下がっても限定的なままでその後の反対売買の買戻しですぐに値段が上がってしまうというようなこともあります。

相場を動かす資金の基本が投機資金であるということを前提に、他の参加者がどのような行動にでるのかを市場での値動きを通して見ていく必要があります。