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第3章 はじめてみましょう

自分に合ったブローカーを見つけよう B留意ポイントをつかって見分ける

4.レバレッジ率はどのくらいか

簡単にいうと、レバレッジ率が高いという事は、同額の証拠金に対してより大きな金額を動かせる権利を持つということです。持ち高が違うわけですから、スポットレートが同じポイント数動いても、手にする損益の額は大きく変わって来ます。

売買システム自体を自社開発しているような日系企業には、10倍くらいのレバレッジ率を適応しているところが多いようです。ハイリスクハイリターンという投資文化があまり日本には馴染まないということを背景にしているのかもしれません。独立系の会社には、海外の業者やそのシステムを使用しているところも多いため、レバレッジ率は50〜100倍とかなり大きくなります。海外、特に金融先進国であるアメリカなどではハイリスクハイリターンを狙う人が多いため、レバレッジ率の高いものが好まれるようです。逆の言い方をすれば、持ち出し資金は少ないほうが好まれます。

余談になりますが、北米には為替ファンドはたくさん存在しますが、ハイリスクハイリターンなものが多く、1年でファンド元本が30〜50%くらい上下に動くというものも稀ではありません。日本で為替ファンドがあまり存在しないのも、このようなお金に対する文化的背景の違いがあるからかもしれません。

いずれにしてもレバレッジ率の高低は、自分の手持ち資金と期待リターンとそのリスクに直接関係しますので、自分が手持ち資金の絶対額との関係も考えつつ、この取引を通してどのくらいリスクを許容しつつリターンを追及したいか最初にある程度決めておくことも必要でしょう。おいしい話のみでリターンだけが得られるということはありえません。

<レバレッジ率の違い 具体例>
1ドル=100円の時に、レバレッジ率10倍とレバレッジ率100倍で円安方向(=ドル買い)の取引を行った場合でみてみましょう。

100円でドルを買って、3円ドル高(1ドル=103円)になったとしましょう。
損益は次のようになります。

(損益計算)
(A)―レバレッジ率10倍の場合―
元手の現金10万円に対して10倍の量の取引(=1万米ドル)ができる。
損益 (103円−100円)× 1万USD = +3万円
(B)―レバレッジ率100倍の場合―
元手の現金10万円に対して100倍の量の取引(=10万米ドル)ができる
損益(113円−110円)× 10万円 = +30万円

当然ながらレバレッジ率が高くなると、反対方向へ動いた場合は(上の例だと97円になる場合)、同じ金額が損失になります。上の例でわかる通り、最初に積んだ証拠金はあっという間に飛んでしまいます。

いずれにしてもレバレッジ率は直接自分の損益に関わってくるので、どのくらいが自分に合っているか考えましょう。他の条件が同じならばレバレッジが高い方をお奨めします。建てるポジションの量は自分でコントロールすることにして、遊んでいるお金の部分を多く取るようにします。起こりうるロスを考えれば、充当する用意として遊んでいる部分が多い方が有効だと思います。

要するにレバレッジ率が高いのでたくさんの取引ができると考えるよりも、ある量の取引をするにあたってレバレッジ率が高い方が小額の証拠金で済むと考えるわけです。