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第3章 はじめてみましょう

自分に合ったブローカーを見つけよう B留意ポイントをつかって見分ける

5.取引手数料、金利(スワップポイント)はいくらに設定されているか

外国為替証拠金取引は、レバレッジ効果によって少ない資金で大きな取引を行えるため、たいへん資金効率がいいことが魅力です。しかしその分損失に対するリスク管理をしっかり行う必要があります。そのためには、方向が間違っていた、失敗したと思ったら小まめにロスカットをしていくことや、確実に益を実現するためにあまり欲張らずに、利食い千人力と思って、益出しもどんどん行うことがお金を残していくために重要になります。

したがってまめに商いをするためには取引手数料が高いとその分だけコスト負担が高くなり、身軽に動きづらくなくなるため、取引手数料の安いブローカーの方が有利と言えます。しかしこれにも落とし穴がある場合もあり、見かけの取引手数料が安いように見えても、その分値段のBid-Askのスプレッドが大きく開いているとか、他に比べてあまりいいレートで売買ができないようになっているなど、取引手数料だけを見て決めるのも問題があります。取引手数料の安さだけでなく、ここで上げる他のポイント項目もチェックしながら総合的に判断して下さい。

またスワップポイントについてですが、前述のようにスワップポイントそのものをセールスポイントにしている会社もあるようです。確かに外国為替取引において、金利は切っても切れない重要な要素ではありますが、金利を狙ってポジションを作るというのは、あまり素人には向きません。なぜなら実際に金利分がもらえたとしてもその分値段の変動に耐えねばならないような事もあり、プロであればそれをさらにヘッジするような手を打って最終的に少しでも利益が残るようにする事できますが、そもそも確実にもらえるスワップポイントは1〜3ポイントです。相場の変動はその何十倍もあるのですから、まずは単純に売買で儲けることを第一に考える方が妥当でしょう。前にも述べましたが、高配当を狙って株を買っても、株自体の値段がその何倍も下がってしまったら、投資としてよかったかどうかわからなくなってしまうのと一緒です。

またもうひとつ気をつけなければならないのは、金利をもらう人がいるということは、その金利を払わねばならない人がいるということです。取引で儲けようと思っている人にとって、相場の方向を考えてあるポジションを持っている場合、自分がその金利を払う側に回ることがあり得るということです。もちろんこの金利分は素直に売買で狙う損益からすると微々たるものですが、相場が動かずにずっとその方向を持っている場合、ずっとその金利分を払い続けなければならないこともあるので、これもコストとして頭に入れておく必要があります。

特に日本はずっと超低金利が続いているため大概の通貨よりも円金利が低いため、円対他国通貨で円を買っている(=対通貨を売っている)場合には、自分がその売っている通貨分の金利を支払わねばなりません。

もう少し具体的な例でスワップポイントについてお話します。

<スワップポイントの具体例>
スワップポイントは通貨の金利差から生まれます。
日本の短期金利が0.01%、アメリカの短期金利が2%とします。

1ドル=110円の時に円高になると思い、ドルをレバレッジ率10倍、証拠金10万円で1万ドル売ります。同じ日に売買取引が終了している場合には金利は発生しません。しかし一晩超えてそのポジションを持つ場合、金利の授受が行われます。

いくらくらいのものかイメージできるように単純な計算式を書きます。

為替レート(110円)×金利差(2%−0.01%)×1日/ 365日 ×1万ドル
  =600円 
一日あたり約600円の金利です。この金額に相当するものが、日々清算されます。

ドルを売っている(=売り建てしている)場合、この金額を毎日支払わなければなりませんし、逆にドルを買っている(=買い建てしている)人に支払われる仕組みになっています。さらに外国為替取引では、スポット決済といって、現物は2営業日後の受渡しになるで、水曜日の夜に持ち越すと土日の分が加算され1日しか持ち越していないのに、3日分のスワップポイントがかかってきます。

基本的な仕組みは以上のようなものですが、ただ実際にはブローカー毎にこのスワップポイントを一日いくらと決めている場合が多いようです。とにかく抑えなければならないのは、金利はもらえるだけでなく払わなければならない事もあるということ、またスワップポイント欲しさにポジションをつくるということは根本的な使い方として間違っていると思います。