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第6章 テクニカルで見るアプローチ
分割比率
高値と安値が重要なことはすでに述べた。それと同じくらいに重要なのが「半値」である。ここまでやってきた相場全体の平均コストは、だいたいレンジの半値くらいになるはずだというのが根拠。相場が戻るようなことがあっても、半値に近づくと逃げの玉が出てきてテクニカルポイントのように作用してしまうということである。
相場が一方向に下落しながら走っているときに売りそびれたとしても、急落過程での半値戻しはどこであるかを確認した上で、半値あたりまで戻るのを待つことができるかを吟味し、それでも可能性がないと読んだなら底値を売り込んでいくのである。
そのほか、3分の1戻し(または3分の2)やフィボナッチ級数に基づいた比率である38.2%(または61.8%)などが比較的に有名であり、高値と安値のレンジの間に設定されるテクニカルポイントとして重要視されているが、あまりに細分化したものを多用しすぎると、かえってどれが大事なのかボヤけてしまう。
いろいろたくさんのポイントを設定してみたところで、相場は絶えず動いているのだから、論理的に言っても、そのうちどこかで必ず止まるのである。「38.2%戻しのところでキレイに止まった」と感激している人を見かけるが、あまり意味のないことのように思える。年間の高値・安値を議論しているときには細かく見る必要もあろうが、さしあたって日経先物の日計りトレーディングにおいては、意識するのは前日の高値・安値と半値戻しにとどめるだけで十分である。