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第4章 価格で見たアプローチ
海外の株式市場
SGXでのナイトセッションは16時30分から始まるが、これはちょうど欧州アワーのコアタイムに対応し、その時間帯に出てくる材料をこなして日経先物の価格は変動する。欧州の株式が堅調であれば、日経先物も翌日の堅調な始まりを先取る形で値段を切り上げてくる。同じ日のすでに終わった大証での日経先物の終値がいくらであったかなどは、もはや関係ないのである。海外での株高という事実が、フレッシュな材料として市場そのものに織り込まれていこうとしているのである。SGXのナイトセッションは20時で終了となり、この時間帯は米国の早朝にあたるので、米国の株式市場の動向を基準にして値段が動き始めることになる。
CMEの日経先物は、翌朝にはSGXの建玉となって清算されてしまうので、実質的にはSGXでの取り引きが朝まで通して継続されているのと同じということになる。世界の関心事である米国アワーを完全に網羅しているところが特徴である。日本時間で過ごしていると日本時間の値動きがすべてに思うが、日本時間での取引はローカルな取引に過ぎず、金融マーケットの中心となる欧米、とくに米国市場の動向に一番関心は集まっている。このため米国時間でのダウ平均やナスダック指数の動きに、日本の株価も大きく左右される。米国の主要な株価指数が上がっているのに、日経先物が動かない、または下がっているなどということは、まずない。逆に言うと、海外の株価が上下している中では日経先物も同様の感応度をもって動かざるをえないのである。
翌朝の大証の日経先物が飛んで値が寄り付いて始まるということはよくあるが、「飛んで」というのは15時間以上前の日本での終値と比べてであって、海外市場も含めて見直した場合は「飛んで」始まるというケースはほとんどない。よって、日本の株価指数を取引しているつもりであっても、海外動向からは目が離せないということになる。