HOME > 日経先物について > 第4章 価格で見たアプローチ > オプション

第4章 価格で見たアプローチ

オプション

大きく相場が動いているとき、例えば日経先物がすでに300円も上がってきているときなどは、これ以上の高いところを買っていってもいいものかどうかを判断する材料として、日経オプションの値段も参考になる。「オプション」を説明しようとすれば、それだけで分量の大きなものが出来上がってしまうので、ここでは簡単に概略だけを述べることにする。

日経オプションは、日経先物と同様に日経平均株価のデリバティブ商品のひとつである。オプションの値段をプレミアムというが、このプレミアム自体が取引所で取引の対象となっている。

プレミアム(オプションの値段)= 本源的価値 + 時間的価値

いま、日経平均株価が17000円のときに15000円で買える権利を、無料であげるよといったら、みんな喜んで受け取るだろう。この差額である2000円を本源的価値という。

日経平均株価が17000円のときに17000円で買える権利をあげるといわれるとどうだろう。本源的価値がゼロなので別に要らないと思うかもしれないが、「あげる」と言われているのは権利であり、義務ではないところがミソとなる。相場が下がっても、何もしなければいいのだ。

しかしオプションの満期までに相場が上昇して19000円になることだってありうる。「あげる」というのなら、権利はもらっておくに限るのである。この価値のことを時間的価値というが、この時間的価値にたいしても取引所では刻々と値段がつけられているのである。

オプションにおいて投資妙味があるのはこの時間的価値のほうであって、本源的価値のついているものは値段が高くて値動きも鈍く投資には向いていない。したがって通常は、本源的価値がゼロのものを狙いにいくわけだ。具体的に言うと、いま17000円のときに19000円で買える権利を取引するということである。実際にはかなりかけ離れているのでまともな神経構造では買えないが、その分だけ宝くじと同じで値段が安く、しかも当たればデカイという特質をもっている。

日経オプションで人気のあるのは、ちょうど現在の日経先物の値段から1000円くらい外側のストライク(権利行使ができる価格)のものである。今の日経先物のレベルが15000円であったならば、16000コールか14000プットに出来高が集中しているはずだ。コールオプションは買う権利、プットオプションは売りつける権利のことである。

16000円のコールというと、16000円で買えるという権利に対して、買う人と売る人の両者が存在して、プレミアムとよばれる値段でその権利が売買される。14000円プットというと、14000円で売ることができる権利のプレミアム(値段)で、16000円コールと同じように買う人と売る人によって売買がおこなわれる。

1000円も外側のオプションの値段に変化があるようでは、相場の需給に巨大な力が働いているものと見て間違いはない。オプションの価格(=プレミアム)は日経先物と同様に大証で取引されているが、日中はほとんど動かない。したがってこれが動き出すときは猛烈なパワーをもって相場が動いていることを意味する。1000円外側のコールオプションが5円上がっただけでも、日経先物は20円も30円も動いてしまう。実際には動かないオプションの値段を見続けることは生産的ではないので、日経先物が大きく動き出したときだけ参考にするようにしよう。