HOME > 外国為替について > 第5章 情報収集の仕方 > 情報の種類 @経済指標などの公的な統計発表

第5章 情報収集の仕方

情報の種類 @経済指標などの公的な統計発表

(1)雇用に関するもの

(1)の雇用に関するものは、失業率とか雇用者数の増減といった統計であり、各国がそれぞれの基準をもって毎月ごとに発表されています。 特に米国の雇用統計は世界の注目を集めていて、毎月第一金曜日に発表される数字は世界経済の行方に大きなインパクトを与えます。この理由は、米国は建国以来、完全雇用が最大の国是となっていることによるもので、当局の経済運営や金融政策はいやおうなく雇用統計に左右されざるをえないためです。雇用統計の数字によって財政出動や政策金利の変更をともなう可能性が高まり、金融マーケットはそれに基づいて動かざるをえません。当然、外為市場も例外なく大きな影響を受けます。よって為替取引をはじめるにあたって、米国の雇用統計がいつ発表されるのか知らないままであるというのは、無謀だと言っても過言ではないでしょう。

外為市場と雇用統計の関係ですが、米国の場合、雇用者数の増加や失業率の低下は素直にドル買いでいいでしょう。しかしながら事前の市場予想が出てくる数字よりも高いものを期待していた場合には、発表前にかなりドルは買い進まれているはずで、失望感からポジションの調整、すなわちドル売りの口実をあたえることになります。ですから、ここで鍵になってくるのは、事前の予想とどの程度の乖離があったかということになります。