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第5章 情報収集の仕方

情報の種類 D為替相場の値動き

これまでは文字として出てくるニュースをみてきましたが、情報の最たるものは価格情報です。それは株でも為替でも原油でもマーケットと名のつくものすべてに当てはまることです。いまどのくらいのレベルにいるのか、BidとAskはどうなっているのか、現値は108.58と書いてあるがGivenしたものかTakenしたものなのか、などなど。

これらをウオッチし続けるのがデイートレードの基本であるともいえますし、「価格情報さえわかれば、ニュースなんか見なくてもいい」と豪語しているトレーダーが多いのもそのためです。たしかにニュースの把握が自分の損益を保障してくれるわけではありません。実際の価格の上げ下げに応じた売買をタイミングよくできるかのみが利益を生む源泉だからです。

したがって、ナマの価格情報を得るためのツールはまず最初に用意しなくてはいけないことになります。もちろん、外為取引をやろうと思えば、業者が適正なリアルタイムの価格情報を提供することになりますので、外為相場の価格情報は24時間得られるものとして話しを進めます。

ドル円相場に手を出している場合には、当然のことながらドル円そのものの値動きを見続けて一喜一憂することになるわけです。

ドル円のレートが下がってきたとしましょう。為替相場はドルを中心としたマーケットです。ドルがユーロなど他の通貨に対しても売られているのか、確認する必要があります。あくまでもある一国の通貨に対してだけ下がっているのかどうかは、その後の値動きを見ていくためにも大いに参考になります。もしユーロドルが不変で、ドル円だけが値下がっているようだとしたら、早速に日本固有の材料を探さねばなりません。インターネットなどを駆使して、日本の政府高官が何か問題になるような発言を行っていないかなど、探してみる必要があります。

またたとえドル円で勝負をしていている場合でも、ユーロなどの動向も一緒に追いかけるようにしましょう。さらにもっと余力があればポンドや豪ドルの動向にも気をつけたいものです。よっぽどの特殊要因がない限り、ドル円相場だけで、ドルが一方的に売られ続けるということはほとんどありません。逆にドルの方向性を見出したいならば、価格反応がより敏感なユーロドルを見ないわけにはいきません。もしもドル円でショートポジションを持っていた場合に、途中まで調子よくドルが下がってきたとしても、ユーロドル相場でのドルの下落が止まったような場合には、それに合わせて遅かれ早かれドル円でのドル下落も止まると考えるのが順当であり、そこがポジションを手仕舞う(=止める)ポイントということになるでしょう。

もちろん、いつもこうなるとは限りません。あくまでもひとつの目安にしか過ぎませんが、自分が参加しているマーケットの価格情報だけしか見ないために機会を逸することもあります。ドル相場としてどのような動きになっているか、いまどちらに向かおうとしているのかを測るためにも、一緒に見ることを励行してください。

同様に、ドル以外の通貨ペア、いわゆるクロスというものも重要です。例えばここでユーロ円もどんどん下がっている場合などは、円そのものが強い状態になっているという証拠ですから、円高の腰が強いとも判断でき、以降の円絡みの取引きには役立てることができます。クロス円はスプレッドも広いので短期の売買には向きませんが、動き出すとなかなかトレンドが変わることがないので、日足のチャートなどを見るとたいへん参考になります。ドル円がかなり下げてきており、これ以上売り込んでいくのが怖いようなレベルにあるときでも、ユーロ円の日足がまだ下を向いているのならば、もっと突っ込んでいっていいと判断できる場合が多いのも事実です。