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第5章 情報収集の仕方

情報の種類 E債券・株式、他の商品相場などの値動き

実体経済を支える血液としてのお金は、為替市場だけでなく、お互いに深い関係にある債券、株式、金や原油といった他の市場の間を行き来します。ですから債券相場の値動きは株価やドルの値段に大きく影響しますし、また株式市場の動向は、債券相場や為替相場に影響をあたえずにはいられません。

一般的には株価の上昇は債権の下落をもたらし、その国の通貨買いとなります。米国のダウ平均株価が上がっているときは、米国10年債は弱含みとなり、ドル円は買われやすくなります。したがって他の金融マーケットがどのように動いているのか、為替相場に手を出す以上は避けては通れません。また発表された経済指標に対して市場がどのように反応したがっているのかなど、各々の金融マーケットの価格反応を見極めることによって、全体としてどういう評価がなされたかと理解していくことも容易になり、以降のアクションの手助けにもなります。

最初からすべてを一緒に見るのは大変だと思うかもしれません。しかし、あなたが買うドルであっても、プロが買うドルであっても、マーケットでは対等なわけですから、市場を見ることに慣れていないなどという言い訳は許されません。とくに日計りで取引をしている人にとっては自分のフォームやスタイルになるまで、それらを磨き上げていくように修練を積む必要があります。

各市場の値動きの細かいことはいりません。「今の株価がさきほどより安くなっているとか高くなっている」といった大まかな流れくらいは掴んでおくようにするのだけでいいと思います。ただこの関連性は、アメリカの株が今値上がりしているから、直ちにドルも高くなるというほど単純な反応ではない場合もままあります。しかし大きな流れの下支えになる部分ですので、押さえておいて損はないでしょう。株価が崩落していたら、もしくは債券価格が暴騰しているように見受けられたら、ドル円相場の値段が動かないままであっても、何らかの行動は起こすべきなのです。