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第5章 情報収集の仕方
情報の種類 @経済指標などの公的な統計発表
(5)センチメント
(5)のセンチメント調査ですが、企業や消費者が現状の景気やその先行きをどのように見ているかというものをアンケート調査し、指数化したものです。米国では民間の調査機関であるコンファレンスボードが作成する消費者信頼感指数や、シカゴ景況指数(CAPM)、全米購買部協会指数(IMS)、ミシガン大学作成のセンチメント指数があげられます。日本で代表的なものは日銀短観になります。
所詮はアンケート調査でしかないと思えるのですが、家計の消費意欲や企業の設備投資の動向なども表わすので、徐々に無視することは許されなくなってきてるデータです。センチメントが上昇すれば、素直に株式市場は賑わうことになり、結果その国の通貨高の要因になります。ただし、この指数の欠点は、株式相場が上がり続けている場合などは必然的に消費マインドも上向きになるので、そのような場合には、あらかじめ割り引いて考えないといけないことになります。つまり、センチメント指数というものは株式市場の遅行指数だといえるわけで、それをもって将来を占おうとすることはあまり意味をもちません。
経済指標というものは、その時々によって注目される度合いが違ってきます。1980年代のグリーンスパン登場以前の米国の金融政策は、マネーサプライを基に決定されていた面が多かったため、マネーサプライが重視されていました。しかし、ここ10年以上、市場でマネーサプライの話も聞かなくなりましたし、それに基づいて相場を張ろうとするプレーヤーもほぼ皆無といってよいでしょう。
90年代に入るとドル安が進行したこともあって米国の貿易収支が取沙汰されましたが、2000年代になってより大きな赤字を垂れ流しているにも関わらず、ドル安に向かわないせいか注目度は以前ほどではありません。また逆に、昔はほとんど無視され続けていた指標が、最近では日の目を見ているなどということも珍しくありません。大切なことは、いま市場ではどの経済指標に目がいっているのかということであり、オールドファッションのデータに長くこだわるのは得策だとはいえません。
この他にも経済指標は、より早く経済実態を表わすためにいろいろなものが発表されます。自分なりにマーケットとの関連性を研究してみるのも面白いと思いますが、大事なことは、その指標が先行指標なのか遅行指標なのかを見極めることだと思います。