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第8章 マーケットに臨む姿勢
パッシブ運用
パッシブとは「消極的な」とか「受身の」という意味である。ある一つの方向にかけたら、そのままその方向に行くことを待ち続けるようなスタイルのことをいう。たとえば投資信託などのファンドにたとえれば、「株式のブル型ファンド」(=株価の上昇によって利益が出るファンド)がその典型例で、株式市場全体が下がり気味であってはどうにもならない。
パッシブファンドの場合は、ファンドの価値が下落しても「株式相場がダメだから」という言い訳が許されるし、相場の下落リスクは投資家が全面的に負っていることになる。ファンドマネージャーが出来ることといえば、値下がり局面では値下がりに対してより抵抗力のある株式を組み入れることぐらいであり、値上がり局面では他の株式の何倍もの値幅で上昇する可能性の高いものを組み入れることぐらいである。
株価指数が10%下げていても、ファンドの値段の下落が8%ならば成功とする。株価指数が5割も上昇しているのに、ファンドの価値が2割しか上がっていないと大失敗ということになり、要はベンチマークとしての株価指数との競争なのである。つまり最初にかけた方向へ行かなければ、絶対的に損失を出すことになり、後は株価上昇を願うしかなくなるのである。
損切りを機械的におこなうためには、損切りのための注文をあらかじめ出してしまうのがよいだろう。幸いにも最近のネット取引では、ストップ注文(=逆指値)を置けるプラットフォームを提供してくれる業者が多い。損切りはあくまでも機械的に行い、何度か損切らされることがあったにしても、それは次に大きく儲けるためのコストだと思って、また出直そう。