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第8章 マーケットに臨む姿勢

レンジ取引

相場というものは、ほとんどが狭いレンジ内での動きである。レンジ内でさんざんやった後、あるとき、ふとレンジをはみだして新しいステージを迎え、そこで新たなレンジを形成するのである。

取引レンジは絶えず移り変わっていくが、自分の参加している相場が、今はどのレンジにステイしているのかを認識するために、テクニカルポイントはどこなのかを、いち早く見極めることが重要となる。レンジをブレークしていくような大きな相場は、時間にして5%もないわけで、やっている時間の90%以上はレンジ相場なのである。だとしたら、このレンジ相場と上手につきあうことが、日計りトレーディングには不可欠な手段を与えることになる。

いまから小一時間での値動きはどうか。15500から15600でやっているものとすると、その安値近辺では買い注文を出し、逆張りにはなるが損切りポイントもはっきりしている分だけ損失の額も少なくて済む。この場合だと15490あたりとなる。次にレンジの高値を攻めにいった場合は上限と思われるレベルの少し内側に売り注文を出すことになる。この場合だと15580あたり。この際、自分の調子が良いと思えば2倍の売り注文を出してショートに転じてもよい。いうまでもなく、このショートも純然たる逆張りなので損切りラインは近くて、15610ですぐに買い戻す。

要するに15600円がテクニカルポイントとして機能していると想定して行動するのだ。直近の過去のレンジから想定したレンジ相場が図に当たれば、それが回転すればするほど利益が大きくなるというわけだ。しかもオペレーションが機械的で、労力も少なくて済む。

逆張り自体は推奨できるはずもなく、攻め方としては邪道であるが、損切りするポイントが比較的近くに置けるのであれば、相場の動きの大半を支配するレンジ相場を活用しない手はない。日経先物を使ってのデイトレードではなおさらである。このケースだと損切り幅が20−30円に対して、期待利益は60−70円もあるのだから、リスクに見合うリターンを追求している。要は、いち早くテクニカルポイントを探るのだ。それにはテクニカルの助けも借りる。

相場が荒れているときでも、通常であれば1時間や1日で起こることが、5分で終わってしまうだけのことであり、タイムスパンが短くなるだけのことだ。相場の強い上昇局面などでも、レンジブレークの勢いがどの程度であるかの違いだけで、基本的なことは、ここでいうレンジ相場に対する考え方と変わらない。