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第8章 マーケットに臨む姿勢

買い増しの妙

次にポジショニングの問題である。ポジションは持っている枚数が多ければ多いほど、リスクは大きくなり、損益のブレも大きくなる。だから最初から大きなポジションを作っていくと、ちっぽけな軍資金など一撃で吹っ飛んでしまう。そうはいっても、いつまでも同じ分量のポジションで攻め続けても効率的だとは言いがたい。

フェイバーであるということは余力があるということなので、フェーバーになっている時に、これを十分に活用しよう。基本はあくまでも順張りである。そのまま持っていて利食いを引き伸ばしてもいいのだが、あえて自分を苦しくする作戦に打って出るのだ。7や8を買っていくのである。8で買い増したはいいが、不発に終わって5までゆるんできたら、すぐに全部を損切る。ポジションが大きくなっているのだから、当初の損切りレベルであった3や2までは我慢しない。8を買って苦しい思いはするが、相場がさらに上昇して9や10をやりだすと、ポジションが膨らんでいる分だけ利益もより大きくなる。相場の流れが反対向きに変わるまで、これを繰り返す。

ポジションがいくら大きくなっても、フェイバーな領域でいる限りはリスクは少ない。そのまま相場が14や16まで行ってしまうかもしれないのである。相場の限界点に自分で勝手に枠をはめてはいけない。どこまで行くのか予測はできないという前提で、ポジションを増やし続ける。20を買っていってもよいのだ。反対に行って18で全部閉じることになっても、かなりのお金が残るだろうという算段である。

結局のところ、自分が相場に積極的に関わっているようであっても、そのポジションのありようは相場次第である。利食いも損切りも相場が決めてくれる。自分の思い込みで、利食いを優先させて楽になることだけは慎もう。「利食い千人力」というが、変なところで利食ってしまうと、その後、相場がさらに2倍も3倍も進んでしまったなんてことはよくあることだ。しかも、いったん利食うと怖くて二度と同じ方向では攻められなくなることが多い。