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第2章 市場のルール

値幅制限

日本の場合、取引所取引では一日のうちで値幅制限が設けられている。値幅制限いっぱいまで相場が上げきってしまうことを「ストップ高」という。その値段より高いところでは売買ができなくなるため、買い注文(ビッド)だけがストップ高水準で残されることになる。この状態を「ストップ高の買い気配」という。いうまでもなく日経平均株価の構成銘柄のうちで値幅制限いっぱいに達して気配で推移しているものがあれば、日経平均株価と日経先物の値段は離れていく。日経先物そのものも日本をマザーマーケットとする取引所取引なので、こうした制約を免れない。

ただし日経先物が制限値幅いっぱいまで動いてしまって取引できない状態になるのはまれで、直近で起こったのは2000年4月のITバブル崩壊時と2001年の9.11テロの翌日だけである。値幅制限は、1万円の時はいくら、2万円の時はいくらと取引所が定めている。前者のときは日経先物が2万円台だったので値幅制限は1500円だったが、後者のときは日経先物が1万円くらいだったので値幅制限は1000円だった。だが、そのどちらのケースも寄り付き段階からストップ安まで行ったわけではないので、逃げようと思えばいくらでも必要な手段を講ずる時間はあったわけである。

最後に値幅制限の是非についてであるが、変動率の高い株式市場では「ストップ高」なり「ストップ安」の水準まであっという間に達してしまうことが多い。投資家保護を名分に掲げているが、果たして本当に保護になっているのだろうか。実際に売りたくてしかたがない人や売らないと困る人の手を封じることになるわけで、見かけ上の値段が下がらなければそれでよいというのもおかしい気がする。

これとは対照的に、欧米では値幅制限はない。上がるときも下がるときも、どこまでも突き進む。サーキットブレークという制度があるが、少しの時間だけ頭を冷やしましょうという程度のもので、次のスタート時には値幅を超えて取引することも許されるのだ。