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第2章 市場のルール
値荒い
その日はそのままポジションを持ったまま市場が引けてしまった。終値は15050円であり評価益が5万円だけ出たままである。翌朝の状態を見ると、証拠金残高は変わらないが、評価損益がゼロになっている。
ポジションを確認するページだでは持っている日経先物の買った値段が15050円になっていて、昨日の清算値で評価替えされてしまっている。この作業を「値荒い」といい、1日が終わると必ず行なわれるのだが、損益だけを問題とすれば前日の終値でポジションを閉じても同じことなのである。
このようにして、先物取引では1日の終了時点において値洗いの作業を通じて、評価損益の受け渡しも完了してしまうため、翌日に新規でポジションを作っていくのと実質的には変わらないことになる。腐ったポジションをクローズすると損失額が確定してしまうからという理由で、ポジションを放っておくことを事実上、無意味なものにしてしまっている。値洗いをすることによって、投資家にとっては無用な評価損の膨張を防ぐことになり、業者にとっては顧客からの取りっぱぐれを最小限にとどめるという効果がある。