HOME > 日経先物について > 第2章 市場のルール > 売りでも買いでも
第2章 市場のルール
売りでも買いでも
相場はたえず上下に動いている。その上下動を取りに行くためには日経先物を買うか売るかしないといけない。その行為をポジションを持つという。買って相場の上昇を期待している状態のことをロングポジションであるといい、反対に売り込んで相場の下落を期待することをショートポジションという。
ロングの人はしかる後にどこかで売らないといけないが、これをポジションを解消する、という。その結果として、何も持っていない状態になれば、ポジションはスクエアであるという。スクエアということは、まったくポジションを持っていない状態を指すが、変動する相場を相手にする場合、スクエアというのもロング、ショートと同じ戦略的なポジションとなる。
取引のサイズは1枚単位でおこない、1枚というのは日経先物の価格を1株とする1000株分だと決められている。ここで「買い@15000と売り@16000」のワンセットの売買があるとする。差額の1000円分が儲かっている。これは「売り@16000と買い@15000」となった場合に置き換えても同じことである。最終的に差額として残る利益は同じであり、ポジションがなくなっているのも同じである。ロングとショートの違いは順番だけである。ロングは損益を確定するためにいずれ売らなくてはいけなくて、買った値段より高く売れれば利益が残り、安くしか売れないと損失が残る。逆に、ショートはいずれ買い戻さなくてはならず、安く買い戻すことが出来れば利益となり、高くしか買い戻せないと損失が残る。
日経先物の場合はロングもショートも立場は同等なので、ポジションはどちらでも作りやすい。一方、現物株でショートを作るとなると信用取引の制度を利用しないといけないので、「売り注文」の仕方がさらに細分化されることになるのでわずらわしい。