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第2章 市場のルール

マージンコール

当初証拠金は投資家の支払い能力を示す目的で設定されたものだが、評価損の累積によっても同様のリスクが顕在化する。ポジションを作った以降の損失額の取りっぱぐれを回避するために、業者は維持証拠金(メンテナンスマージン)というものを定めている。維持証拠金は当初証拠金の60−70%くらいに定められているのが普通であり、評価損益を含めた証拠金残高が維持証拠金のレベルを下回ってくると、追証(=マージンコール)といって以下の行動を迫られる。ポジションを持ち続けたいのであれば、当初証拠金(維持証拠金ではない)のレベルに達するまで、目減りした証拠金残高を増やすこと。すなわちやられた分のお金を新しく差し入れてね、ということ。もうひとつは抱えているポジションを減らすこと。これによって必要となる証拠金の絶対額を減らそうというもの。

当初証拠金が1枚あたり40万円、維持証拠金が30万円である場合の具体例を見てみよう。15000円で日経先物を1枚買ったが、相場が下がって14750円になってその日の市場が終わったと仮定。評価損益の欄を見ると損失が25万円出ており、証拠金残高が維持レベルである30万円を下回っている。すなわちマージンコールの状態になっているのだ。ここでなすべきことは、証拠金残高を当初証拠金のレベルである40万円にまで戻すために、翌日に151,000円を送金するか、翌日の取り引きで反対売買をしてポジションを減らして、必要証拠金をゼロにするかである。

こうしたマージンコールがかかっている状態であるのに2日間以上も何もしないで放っておくと、業者が勝手にポジションを反対売買してクローズしてしまい、金銭が足りなければ顧客に請求するなど強制的に清算事務に入ってもよいことになっている。